船橋甲板の電線貫通孔を密閉・遮蔽する方法

タンカー、貨物船、LPG 運搬船、LNG 運搬船、ばら積み貨物船の船橋や船橋ウィングには、航行、操舵、レーダー、通信に関わる機器のほか、エンジンやスラスタの制御装置があります。 これらの電子機器はいずれも、半円形の制御盤ユニットの中に収まるよう設計し、様々な危険因子から保護する必要があります。 しかし、電力と制御用の様々な電線を全て引き込み、適切にシール処理するのは簡単ではありません。 制御盤や電気設備筐体の下には空きスペースがほぼ無く、全ての工事が終わる直前で設計変更が生じて電線を追加というケースは往々にしてあります。

船橋の電線貫通部の密閉に苦労している造船所では、設計標準に Roxtec シーリングソリューションを採用し始めています。 Roxtec は、火災や浸水の拡散を防ぎ、密集する配線を管理し、あらゆる不測の変更に対応できる革新的な電線・パイプ貫通部を提供し、設計や施工を担当する皆さまを支援します。 船橋では、多くの造船所が Roxtec S ES ソリューションを好んで選びます。

船橋の電気系統を EMI/EMP、火、ガス、水など複数の危険から保護  

Roxtec S ES は機械的な仕組みで密閉する電線・パイプ貫通部で、電磁両立性の確保と複数の危険要因に対する保護を提供します。 この組み立て式貫通部シールを EMC の確保が必要な区画に使用すると、等電位化や電磁遮蔽を効果的に施すことができ、電磁干渉 (EMI) や電磁パルス (EMP) から区画を保護することができます。 それと同時に、IMO 2010 FTPコードに準拠した A 級耐火の性能も備えています。 船橋ではそこまで求められないかもしれませんが、最大 2.5 バールのガス圧、4 バールの水圧にも耐え、IP 66/67 の保護性能を持つ製品でもあります。

船橋甲板に適した組み立て式電線貫通部で建造中の変更にも手間なく対応

Roxtec S ES 貫通部は、施工性に優れスペース効率の高いソリューションです。一つの小さな開口部に複数の電線を通して密閉することができ、狭小スペースでも使用できます。施工後はすぐに保護性能を発揮します。 開口部の中に予備スペースを確保しておけるので、建造中の急な設計変更にも対応がしやすい仕組みです。 新たな開口を設ける必要はなく、既に挿入してある予備のモジュールを利用できます。 つまり Roxtec S ES なら、素早く柔軟な施工ができるようになり、コストを削減し、船内のスペースをもっと有効に使えるようになります。

柔軟性に優れた電線貫通部ソリューション

Roxtec シーリングモジュールの特徴は様々な外径の電線やパイプに合わせて調整できる点で、現場担当者が想定外の外径に出くわしても容易に対応できます。 正しく施工ができているか目視で確認でき、品質の検証が簡単です。また、Roxtec EC (電気的導通) 検査スティックを使用すれば、船橋甲板に施工した貫通部の電気的性能を確認するのに便利です。 さらに省スペース化を図れるタイプ、角度をつけた配線に対応するタイプ、水没リスクを回避するために嵩上げできるタイプなどがあります。

光ファイバーケーブルに適した高性能ソリューション

シールド構造の筐体に光ファイバーケーブル配線する必要があり溶接を避けたい場合は、ボルトで取り付けできる Roxtec 導波管シール ES が最適です。 EMP や HEMP などの電磁的脅威から船舶を保護できるだけでなく、火、ガス、水といった危険要因からも船舶を守ります。 導波管の技術を応用した製品で 100dB 以上のシールド効果を提供します。

断熱材の使用量を減らす Roxtec シール

タンカー、貨物船、LPG 運搬船、LNG 運搬船、ばら積み貨物船の船橋甲板に Roxtec 電線貫通部シールを使うと、断熱工事を減らすことができるので作業時間と費用を大幅に節約できます。 Roxtec シールなら、A-0 耐火の用途では断熱材が一切不要で、A-60 耐火の用途では追加の断熱材が不要になります。 Roxtec 製品の認証証明書がその性能を保証しています。 DNV、ABS、LR、CCS、KRS、ClassNK をはじめとする主要な船級協会から発行されている認証証明書は 300 以上あります。 これらの証明書は、耐久性と耐腐食性に優れたシールが船舶に求められる基準を満たすことを示しています。また、火、ガス、水、衝撃波、振動、材料疲労といった危険からも船舶を守る性能も認証されています。