水密性電線貫通部に関する現行規則をご存じですか？ その規則により造船所、船主、船級協会の皆さまにどのような影響が生じるかご存じですか？ この記事では、IACS および船級協会の規則について知っておくべきことと、求められる対応について大まかに解説します。 Roxtec は貫通部の検査サービスとデジタルツールを通じて、お客様が規則に遵守できるようサポートしています。 船級の安全要求に関しては、弊社開催のウェビナーでも解説しています。あわせてご覧ください。
船級規則
改正された船級規則では、建造時の規則の一部として、水密性電線貫通部に関する基準を定義しています。 当初は国際船級協会連合 (IACS) による統一規則で概説されていましたが、現在では、IACS 傘下の各船級協会がこれらの基準をカバーしています。各船級により若干の違いがあります。 この規則の目的は、船舶と移動式オフショア設備 (MOU) の最初の建造からライフサイクル全体を通じて、水密性電線貫通部の施工品質を記録・文書化し、管理することです。
電線貫通部シールシステム登録簿
高い安全要求が課せられる区画では、一貫して認証された貫通部ソリューションが使用されます。しかし、その施工品質と据付後の安全性能については、必ずしも優先的に維持されているわけではありません。 これを課題として認識した船級は、新たに建造される船舶と MOU にある全ての水密性電線貫通部を記録する電線貫通部シールシステム登録簿の作成を義務付けました。 この登録簿は船舶の安全性を向上させることを目的として、造船所が作成し、船主または海運会社が維持管理していくことになっています。
IACS 統一規則
IACS は次の船級協会で構成されています。 アメリカ船級協会、DNV-GL、クロアチア船級協会、日本海事協会、中国船級協会、ビューロー・ベリタス、イタリア船級協会 (RINA)、ロシア船級協会、ロイド船級協会、インド船級協会、ポーランド船級協会、韓国船級協会。 この統一規則は、2021年7月1日以降に建造契約が交わされた船舶と MOU に適用されます。そこでは、船舶またはオフショア設備のライフサイクルを通じて、水密性電線貫通部を監視し続けることの重要性が強調されています。また、このような重要部材を電線貫通部シールシステム登録簿で管理する重要性も強調されています。
詳しくは、下記担当者までお問合せください：
Peter Iverfeldt, Roxtec 海洋&オフショア部門 - 製品スペシャリスト
Roxtec 貫通部検査
私たちは船級協会から認定されたサービスサプライヤーです。船級規則に沿い電線やパイプ貫通部の検査を実施できる認定検査官を擁し、船主や造船所の皆さまをサポートしています。 現在の保護措置の安全状態を検査し、必要に応じた是正措置を提案します。 また、船級規則の要求を満たす電線貫通部シールシステム登録簿の作成もお手伝いいたします。
Roxtec Software Suite™
私たちは、相互に連携可能なデジタルツールのセットを提供しています。設計担当者、造船所、船主の皆さまが電線やパイプ貫通部をオンラインで管理するのに役立つツールです。 このツールを利用すると、貫通部に関わる作業を管理し、記録することができます。船級検査官をソフトウェアに招待することが可能で、公式基準や規則に従って状況を報告できるようになります。 例えば Roxtec Transit Operate™ は、貫通部の施工品質をシステム管理するツールです。最初の据付から直近の更新工事や機器の追加工事など、全ての情報が整理された状態で維持できます。 これにより、船主や海運会社は、義務化された電線貫通部シールシステム登録簿を維持しやすくなり、船級検査官は記録文書を確認しやすくなります。 船舶や設備のライフサイクル全体を通して、作業時間の短縮、品質の向上、安全の最適化につながるのが、このスマートなツールです。
