スウェーデン・カールスクローナの本社には Roxtec 防火研究所があり、安全性と耐火性についての広範な試験を行える完璧な設備が整っています。 この大規模な施設では、認証を受ける安全製品の継続的な開発だけでなく、特定のニーズに対する試験も可能です。
「優れたソリューションを開発しても、それを検証できなければ意味がありません。 お客様が求めるのは実証された確かな性能なのです」と Roxtec の試験・認証マネージャーである Jenny Filipsen は話します。
気密性や耐火性などの主要な性能を徹底的に試験することは、Roxtec にとって常に重要です。防火研究所は私たちの試験能力を代表する施設です。 この試験施設は、製品開発とシールの事前認証プロセスの両方において非常に重要な役割を果たしています。 また、カスタムメイドのシールを試験したり、特定の要件に従った試験を行う際にも使われています。
Roxtec 防火研究所で行われるすべての試験は指標となります。 認証につながる本格的な試験は、認定された試験所でのみ実施することができます。
「私たちは試験基準に従いますが、特殊な試験を独自開発することも可能です。 連続試験や、地震や火災をシミュレーションした後に気密性試験を行うこともできます」と Jenny Filipsen は話しています。
Roxtec では、たとえば、EN 1366-3、UL 1479、ASTM E814、FTP コード、IMO 規格、EN 45545-3、ISO 20902-1:2018、ISO 834 (cellulosic fire curve)、EN 1363-2 (hydrocarbon fire curve) に準拠した試験を行うことが可能です。
現実的環境を再現した試験
Roxtec 防火研究所には、豊富な経験と能力を持ったエンジニアと試験技術者がそろっています。 彼らはこの先進的な施設で何百回もの火災試験を実施し、世界中の有名な公式研究所での外部試験にも関わってきました。
研究所で実施されるすべての耐火試験は、基準や規格に基づいてエンジニアが準備します。現実的な環境を再現し、すべての対象物がシステム全体として試験されるよう確認します。 技術者は、試験体を組立てたらそれを様々な材質で再現した壁、隔壁、床、甲板などに取付け、試験炉にセットします。
さらに、試験体に数十個の熱電対を取付けます。 熱電対は、火にさらされていない側の温度を測定し、制御室のコンピュータで熱伝導の状態を詳細に監視できるようにします。
試験立会い歓迎します
お客様や船級協会の方をお招きして、観察室から試験に立ち会っていただくことも可能です。 試験炉の大きな窓からは、炉内の様子がよく見えます。 また、ストリーミング再生で世界中のどこからでも試験を視聴することが可能です。
「私たちは、配線・配管貫通部製品が安全基準を満たし、お客様のご要望にお応えできるよう、常に試験を行っています。 お客様や認証機関のご担当者様に試験の様子をお見せできることをうれしく思います」と、Jenny Filipsen は話します。
試験では、厳格な基準に従ってシールの火炎遮断性能と遮熱性能を検証します。 コンピューターから収集された情報や、耐火試験後の試験体を徹底的に調査して得られる詳細な結果は、お客様とエンジニアの双方に役立つものです。 また、小型の試験炉もあり、短時間の耐火性試験を行うことも可能です。
持続可能性への取り組み
Roxtec 防火研究所は、極度の熱と大惨事を繰り返し再現する場所です。 そのため、安全に対する考え方が最優先されます。 防火研究所では、塵埃や粒子の拡散を防ぐために部屋やホールを加圧し、非常に良い作業環境を整えています。 また、試験炉からの排ガスを処理する最新鋭の浄化装置も備えています。 このようなすべての取り組みは、「常に安全性を高める」という Roxtec の 考え方の一部なのです。