キャビネットへ配線されるケーブルのシーリングには、金属製のケーブルグランドが慣例的に使われてきました。 これが正解だからでしょうか? その答えの前に、ケーブルグランドを使用するときの大きな課題いくつか見てみましょう。
1. 面積効率が悪く、キャビネットのサイズ、重量、コストが増大
キャビネットにケーブルを配線する場合は、底面に取付けた予め準備されたグランドプレートを必ず貫通させます。そこで、より高い面積効率でシーリング処理できるソリューションかどうかが重要となります。 ケーブルグランドを取付ける場合、その仕組み上、工具でグランドを締めつけるためのスペースが必要になります。そのため、ケーブル1本1本を離す必要があり、配線の密度は下がってしまうのです。
2. 柔軟性がなく、変更作業の複雑化と追加コストの発生
設計段階だけでなく現場の作業中でさえ、キャビネットに追加でケーブルを配線する必要が生じることはよくあります。 既設のキャビネットに新たに穴を開けるのは、リスクを伴う作業であり簡単ではありません。多くの場合、火気使用作業の許可を得るかシステムの運転を止める必要が出てきます。 穴あけ作業で出る金属の削り屑もよくある問題で、運転に支障を来たす可能性があります。 Ex 規格のキャビネットの場合は、新たな穴あけ加工には再度認証が必要になります。
3. 作業時間と重量
最近のキャビネットには I/O の配線が多く、1つのキャビネットに50〜150本のケーブルを接続することも珍しくありません。 この数量のケーブルグランドを正しく取付けるには、かなりの作業時間が必要になります。デメリットが多く、可能なら避けるべきです。 たくさんの場所に使われているグランドの総重量も考慮する必要があります。
4. 標準化が難しく、現場判断に頼りがち
さまざまに異なる外径のケーブルを処理するにもかかわらず、ケーブルグランドの柔軟性は限られています。 それぞれのケーブルに合わせて使えるグランドは1つずつなので、ケーブルシーリングのソリューションを標準化するのは非常に難しくなります。後々変更が必要になった場合も、やはり対応が難しくなります。 「標準化されたソリューションを使う」というのは、どんなプロジェクトにおいても最大の節約術です。この点において、ケーブルグランドはその妨げとなります。
幸いなことに、上に挙げたすべての課題を解決し、要求の高い産業で使用できる優れた機能を持つソリューションがあります。